実際に相談を受ける中でも、短期でも遠い将来でもない微妙な期間、4,5年後の住宅資金や教育費のために投資をしたいと言うご相談をお受けすることがあるのですが、僕としては少し反対のスタンスでお答えさせて頂いています。
しかし、ちょっと自分の考えを改めて見直しをさせられたコラムがありました。 書かれた方には申し訳ないのですが反論をまとめてみたいと思います。
アプローチをリターンからだけで決めてはいけない
詳しくはコラムをお読み頂ければと思いますが、一見正しそうなアプローチがされています。
目標金額と投資できる期間、投資できる金額。 この3つが分かれば「必要な利回り」を求めることができます。 この必要な利回りが確定されている商品があれば問題はありません。
そのような商品がないので投資をする訳なのですが、投資にはリスクがつきものです。その視点を忘れてはいけないんです。
コラムでは、5年後200万円を用意するために、毎月3万円(元本180万円)を3%で運用すれば目標金額が用意できるとなっており、以下が資産配分という流れになっておりました。
※資産配分の例は、モーニングスターのシミュレーション結果「スタンダードタイプ【目標利回りが3%以上5%未満】」を使われているようです。 今回はそこについての突っ込みはいたしません。
あくまでシミュレーションだが目標を達成できるか?などの、なんとなくの計算はできる
エクセルを使えば、簡単な想定をすることができるです。※正規分布としてお話し進めさせていただきます。
モンテカルロ法(別名ランダム法?)という数値をランダムに入れてシミュレーションをさせるのです。 エクセルには便利な数式、NORM.INV関数とRAND関数があり、リスクとリターンを入れると投資の結果を得ることできますので、それを5000回シミュレーションしてみました。
そのた結果が以下の図でございます。
リスクとリターンについては、上図の配分をもとに、リスクとリターンを算出しております。
目標の200万円を達成した回数が2294回(46%)、元本割れとなってしまった回数が1446回(29%)となっております。
本当に教育費準備のために、このような確率で良いのでしょうか? 比較的短い期間での投資は、僕としては少し厳しい印象を持っております。
しかし、この投資できる期間を10年、20年とした長く運用する場合はというと
10年間 達成回数 3161回(63%) 元本割れ 1136回(23%)
20年間 達成回数 3863回(77%) 元本割れ 741回(15%)
となり目標とする資産を達成しやすくなるわけです。 だからこそ投資信託を使った投資は、長期投資を基本だと思っております。
5年後の教育資金の準備のためには?
今回のコラムの内容のご相談の場合ですと、やはり固いもので貯めて行くのが基本だと思います。 その他の方法としては、貯蓄率を上げる、ご両親からの援助や借入、奨学金・教育ローンなどがあるでしょうか。
もちろんリスクを理解された上での投資であれば問題はないと思っております。