個人投資家から、まだまだ認知度は低いかもしれませんが、一部の個人投資家から根強い人気があるセゾン投信のことで、大きなニュースが流れてきました。
セゾン投信を創業された中野さんが、退任というか事実上の解任のようです。
資産運用会社、セゾン投信の中野晴啓会長兼最高経営責任者(CEO)の退任が波紋を呼んでいる。同社は5月末の取締役会で中野氏を退任させる人事を決定した。関係者によれば、親会社のクレディセゾンとの路線対立が背景にあるとされ、事実上の解任とみられる。中野氏は「積立王子」の愛称で知られ、少額の長期積み立てを普及させた立役者でもあり、同氏の理念に賛同して取引をする顧客も多い。今回の退任で顧客離れが懸念される。 セゾン投信、中野会長の退任が波紋 顧客離れの懸念も - 産経ニュース
セゾン投信が運用するのは世界全体の株や債券に分散投資する「セゾン・グローバルバランスファンド(SGBF)」など3本。中野氏は直販を中心に顧客との「顔の見える関係」を重視し、コツコツと投信保有者を増やしてきた。今では総資産は6000億円を超え、保有者は約15万人にのぼる。
しかしクレディセゾンはその手法に不満だったようだ。過去も既存の金融機関との提携などで販路を拡大することを求めてきた。今年になって経営再建中のスルガ銀行に出資を決めたこともあり、提携金融機関などを通じた投信販売に、大きく舵(かじ)を切ることを考えた可能性がある。
4月の面談の際、クレディセゾン首脳は中野氏に対し、現在の純資産の8倍超の目標を示したうえで「全国を回って(投信保有者を)集めるあなたのやり方はもう通用しない」と指摘したとされる。15万人の投信保有者についても「クレディセゾンの3500万口座に比べるまでもなく小さい」などと述べて解任を通告したようだ。
セゾン投信「積立王子」解任劇 揺らぐ顧客本位 - 日本経済新聞
記事にもあるように中野さんは、長期投資を伝え続けて来られていました。
親会社であるクレディセゾンに対して多くの方が、「がっかりした」的なコメントを出されています。 もちろん、この人事、この流れに本当に残念という気持ちしかありません。
販路拡大でフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)が失われるのでは?という記事もあり、今後のセゾン投信がどうなっていくか非常に気になっています。
個人投資家や識者の発言を見ていると、ファンド保有者中にはこのニュースに反応し解約注文をされた方もおられるようです。
コスト、運用管理費用(信託報酬)は、設定された2007年から比べると、優位性はなく、割高なファンドの部類にはいっています。
コストは高いけど、中野さんが居たから...。という方にとっては、中野さんの去られ方を見ると売却したくなる気持ちは本当にわかります。
自分はどうするか? 今はまだ売りません
このニュースを見たとき、持っているファンドをどうするか考えましたが、あまり悩むことなく"売らない"という結論に達しました。
自分のiDeCo口座と、子供の将来の学費のためにと思って、「セゾン資産形成の達人ファンド」を保有しています。
一般的な運用会社の商品を金融機関を通じて投資・購入していれば、"売る!"という決断をしたと思いますが、これはセゾン投信だからこそ、売却しないという判断になったと感じています。
セゾン投信のファンドを誰から購入しているか
iDeCoの場合は、運営管理機関を通じて買っています。 顔が見える販売者の方はおられません。ネットの注文ボタンしかありません。
一方、子供口座はセゾン投信に直接口座を開設し、そこでファンドを積み立てています。中野さんは退任されますが、セゾン投信の代表が園部さんです。中野さんが見込んで譲られたかたです。
販路を拡大と言っても、自分たちに影響する範囲でのセゾン投信、販売会社としてのスタンスは、あまり変わらないのではないか。と、期待というか信じています。
運用会社としてのセゾン投信も心配する必要があるのか?
それでは気になるのが、運用会社としてのセゾン投信です。投資している「セゾン資産形成の達人ファンド」個人投資家に人気のある、世界の株式と債券に投資する「セゾン・グローバルバランスファンド」、このどちらも、ファンド・オブ・ファンズという複数のファンドを組み合わせて投資するファンドです。
藤野さん率いる【ひふみ投信】や鎌倉投信の【結い2101】、農林中金の奥野さん率いる【おおぶね】などは、個別株を吟味し投資していくファンドですので、要となるファンドマネージャーが、解任となれば、そく"売り"だと思っています。
ですが、ファンド・オブ・ファンズですので、ここのファンド自体の運用には、問題はほぼないと思っています。
問題があるとすれば、販路拡大によって、セゾン投信以外の販売会社からによる資金の流出入に振り回される心配点はありますが、残高もある程度大きくなってきていること、世界に分散する仕組みになっていること、ファンドの本数を増やすことできるので、各ファンドへの流出入もある程度コントロールできると思っています。
ですので、運用面でもあまり懸念点はないと思っています。
結論:本当に心配されるようなことが起こったのなら、その時は売却!
色々と書かせていただきましたが、あくまで個人的な見解ですが、自分に影響する範囲での、販売会社・運用会社としてセゾン投信の方針は大きく変わらないと思っております。
根拠のない理由になりますが、実際のセゾン投信へ会社訪問をしたり、実務に携わっている方たちともお会いしたことがあり、中野イズムを継承している方たちがたくさんおられ、長期投資・資産形成をするサポート体制になっていることを実感していますので、売る必要はないと感じています。
しかし、体制が変わりセゾン投信のスタンスが変わっていき、ただのコストの高いファンドになってしまったのであれば、その時は売却し、自分にあったファンドに投資して行きたいと思います。
中野さんのこれからに、まだまだ期待しています